機械に通す(フラット出し)
ストーンマシンでスキーの滑走面をフラットに削ります。板の状態により機械に通す回数は異なりますが、状態の悪い板の場合は、手作業にてフラットに近い状態にしてからマシンに通します。この作業では、サンディングマシンを一切使用せず、ストーンマシンで仕上げることにより、サンディングマシン以上に確実なフラット出しが可能になり、ムラのないストラクチャーを滑走面に入れることができます。サンディングマシンを使用するとエッジが垂れ過ぎてしまう可能性があるので、最近では使用しない場合が多い。近年ではスノーボードもストーンマシンで仕上げます。又、この作業は残念ながら手作業では行えません。同様の作業としてメタル製のスクレパーで滑走面を削るということも出来るのですが現在のスキーの構造、素材において手作業では正確なフラットを出すことは至難の技ですのでこの作業だけはショップなどで機械作業を行って下さい。
ストラクチャーを入れる
滑走性を最大限に引き出すとともに回転性も向上します。その逆の場合もありますのでご注意して下さい。
板がフラットになった状態で初めてストラクチャーを入れます。板の使用目的(競技、基礎、パウダーなど)、使用時期、使用場所、を考慮してより最適のストラクチャーを入れます。ストラクチャーは極端に言ってしまうと滑走面に傷(溝)をつけることです。滑走方向の溝を広げて、滑走面と雪面の摩擦で発生する水のはけを良くすることで、滑走性能を向上させるのです。
ストラクチャーが開発された当初は、溝が縦にまっすぐ入った〈ストレート型〉のものが主流でした。ところがここ数年でよりスムースな水はけを求めると同時に、回転性や操作性にも影響を与えるようなスクラクチャーが見つけだされました。現在主流となっているのは〈ダブルクロス〉と呼ばれるストラクチャーで回転性と滑走性の非常にバランスのとれたものです。
さあ!ストラクチャーを入れます!
ストラクチャーを入れる作業は専用のマシンを使って行います。ストーンが回転して少しずつ滑走面に溝を彫り込んでいきます。ストーンの回転速度や作業速度によって、滑走面の深さや間隔を調整する訳です。ストラクチャーを入れるということは、滑走面に無数の傷をつけるということなので、その表面はギザギザに角が立っている状態になっています。
そのまま滑っても問題はないのですが、すぐに滑走性を求めるのであればストラクチャーの目を潰す作業をする必要があります。サンドペーパーやストラクチャーブラシを使い、ストラクチャーの角を潰して滑走面を滑らかに仕上げます。綺麗にストラクチャーの模様が入っていないと滑らないのでは?と思いこんでいる人がいますが、ストラクチャーの目が、ある程度潰れて模様が薄くなってきているほうが滑走性は高いのです。
ストラクチャーで重要なことは、季節や雪質にあわせて、ストラクチャーの深さや間隔を変えることです。特に雪質とストラクチャーの関係は滑走性に大きく影響してきます。ハイシーズンの水分が少なく乾燥した雪の時に、溝の深いストラクチャーを入れてしまうと、雪に引っ掛かるような感触を受けるでしょう。春先の水分の多い雪に浅いストラクチャーを入れると、水の流れがうまくできず滑走面が雪面に張り付いてしまいます